大阪を代表する粉ものと言えばお好み焼きがあります。
結婚する前、実家では月1回以上お好み焼きを焼いて食べていましたし、外食でもお好み焼き屋さんで食べることも多く、お昼はお好み焼き定食(ご飯やつけもの、みそ汁がセット)ということも。
今回は自宅で簡単に作れるお好み焼きのレシピと大阪で美味しいと言われる有名店などをまとめて紹介していきたいと思います。
お好み焼きについて
お好み焼きのルーツについてですが、大阪発祥説以外に東京、広島が発祥など諸説あります。これは、どこまで遡ってという話しで結果が変わることによります。
小麦粉を溶いて焼く調理法で茶道の茶菓子を焼くものが最も古いルーツとされ、安土桃山時代、千利休が茶会の席で「麩の焼」という水で小麦粉を煎り鍋に伸ばして薄く焼いて、山椒入りのみそを挟んだという現在のクレープみたいなお菓子とされています。
また、江戸時代末期に溶いた小麦粉を鉄板や鋳物鍋に流し込んで、焼いて食べるという習慣が庶民の間にも広まったので江戸説。
そして最後が、戦前から屋台のお好み焼きの原型になったのが、一銭焼きや洋食焼などという名のほぼ今の時代のお好み焼き。これは広島や大阪、東京でほぼ同時期に販売されていたようです。
大阪と広島に比べ、東京がこの議論を冷めた目で見ているような気がしてならないのは、大阪に住んでいるからかもしれません。
お好み焼きと広島焼きの違い
さて気になるお好み焼きと広島焼きの違いですが、広島県民の間では広島焼きこそがお好み焼きと主張しています。
大阪に住んでいるから大阪のお好み焼きがお好み焼きと主張していると思われるのが嫌なのですが、全国的に認知されているお好み焼きこそがお好み焼きと言えると思っています(あくまで個人の考えですが)。
ただ、お好み焼き店の店舗数は2014年の総務省の経済センサス‐基礎調査では、人口10万人あたり店舗数は13.02軒で広島県がトップ、次いで兵庫、大阪という順位になっているという事実もあります。
広島の人間は大阪風お好み焼き、大阪の人間は広島焼き又は広島風お好み焼きとしてバチバチとライバル視してると言える状況ですが、他府県の人にとっては美味しければいいじゃんというくらいの差なのかもしれません。
生地の違い
これがお好み焼き(大阪風)と広島焼の最大の違いかもしれません。水分の加減が違うということ、広島焼きの生地には、だしを入れないことが多いです。広島焼きの生地にはみりんや調味料を加えることもあります。
写真ではわかりにくいですが、大阪の生地はわりととろみもあります。
キャベツの切り方の違い
広島焼きのキャベツは千切りにしたキャベツが使われるのに対して、大阪のお好み焼きはブロックのようなみじん切りが主流です。
広島焼きは薄い生地の上にキャベツや具材を置くのに対し、お好み焼きは具材を混ぜて焼くのが基本なので、このような形状になったと言われています。
お好み焼きのカロリーは
お好み焼きは、トッピングによってカロリーは前後しますが、平均的に1枚(220g)あたり506kcal程度と言われています。おにぎり1つ平均215kcalと言われているので、高カロリーの部類です。
広島焼きは1枚が490g(焼きそば入り)ほどで、1人前あたりだと865kcalとなりますが、大阪では冒頭で述べた定番のお好み焼き定食というご飯とみそ汁付きのセットも良く食べられています。
炭水化物に糖質とカロリーたっぷりの食べ方をしているので、高カロリー食の代表とも言えます。しかし、キャベツたっぷりと食べられ、色々な具材を入れることで栄養バランスよく食べることは可能です。
自宅で簡単お好み焼きのレシピ
安く作ることが出来るのが、庶民食の代表と言えるお好み焼き。しかし、外で食べるとイカ玉、豚玉、エビ玉など単品から売られていて、トッピングで全部入れていくと結構なお値段になります。
ですので、家ではふんだんに自分の好きなものを入れて焼くとプチ贅沢な気持ちになるのも嬉しい限りです。
お好み焼きの材料
基本のキャベツ、豚と生地があれば、あとは文字通りお好みでいいです。イカやエビ、ホタテなどのシーフード、シーズンなら牡蠣もいいです。
他にもホルモンやこんにゃく、ねぎ、紅しょうが、天かす、チーズなんてのもアリです。ただし、あれもこれも欲張って入れてしまうと何とも微妙な味になってしまうので、味の統一感が図れそうなものをピックアップするのがイイです。
ベタなのは豚、イカ、エビ、ねぎ、紅しょうが、天かすあたりでしょうか。あとは、マヨネーズとソース。ソースも大阪には地ソースがいっぱいありますが、手に入らないことも多いので、おたふくソースが無難な選択です。
かつお節、青のり、一味、和からしなどはお好みです。
生地の作り方
最近はお好み焼き粉も優秀なので美味しく仕上げる事が出来ますが、塩分が沢山入っているので、減塩したい方は小麦粉を使って、ひと手間加えることで美味しく仕上げる事が出来ます。
小麦粉を溶くのに水の代わりに出汁を作って入れるのが、美味しく作るポイントですが、そんなものを用意しなくても、だし粉(鯖節やかつお節などが混ざった魚粉)を使ってやれば、出汁で割ったように美味しく仕上がります。
おおよそ1枚分の分量の目安
キャベツ :130g
小麦粉 :60g
だし粉 :適量
水 :50㏄
山芋 :30g
卵 :1個
お好みの具:適量
最近はよくお店のレシピなどもテレビで紹介されていますが、家でたどり着いたのがこんな感じです。
焼く時のコツと手順
フライパンでも普通に焼けますが、ホットプレートを使って焼く方が美味しく感じる気がするのは私だけではないと思います。
焼く時のコツですが、家族が多いと1枚分ずつではなく、上記の材料を全部入れて混ぜがちですが、空気を入れた方がより美味しく焼けるので、1枚分ずつ材料を入れて混ぜることをおススメします。
手順は、混ぜる時はさっくりと空気が入るように混ぜてから充分に熱してあるホットプレートに投入します。ひっくり返した後は上から押したりしてしまいがちですが、せっかく作った空気の層を壊してしまうので、ひっくり返したら次にひっくり返すまで触らないのがポイントです。
アレンジメニュー
お好み焼きのアレンジは具によって色々出来ますが、チーズとキムチ、薄く切ったお餅を入れるものや、残りのおでんの材料(厚揚げやこんにゃく、ちくわなど)で作ってみたり、肉じゃがを入れたり色々アレンジされたものはあります。
家で良くやっているのはモダン焼きです。具材の入った生地をホットプレートに乗せて、あらかじめこしょうと薄くソースで焼いておいた焼きそばをのせて焼くだけです。ひっくり返すのが少し難しくなりますが、出来た時はドヤ顔出来ます。
また、ねぎを多めにして焼き、ポン酢やだし汁につけて食べるなども美味しく食べられます。オーソドックスなお好み焼き以外にも自分で色々開発できるのも楽しみの一つかもしれませんね。
大阪のお好み焼き店の紹介
広島に次ぐお好み焼き屋の数を誇る大阪ですが、大阪のお好み焼き屋は全国展開をしているお店が多く(ぼてじゅう・千房・鶴橋風月など)あります。また、ぼてじゅうや千房はハワイやバンコクなど、鶴橋風月も韓国やアメリカなどの海外にも出店しています。
このあたりもお好み焼きが大阪風とつけない理由だと思いますが、広島の友人も多いのでこれ以上は言いません。
大阪にあるお好み焼きの有名店からちょっとコアなお店まで紹介していきたいと思います。
鶴橋風月
全国展開しているお店なので、ご存知の方も多いかもしれません。大学時代、東京からこっちに通うことになった同級生にお好み焼きが食べたいと言われて連れて行ったお店です。今では東京にも店舗がありますが、当時はほぼ関西にしかなかったので、友人は衝撃的だったようです。
自分は鶴橋風月を基準として他のお店を美味しいかを判断する基準にもなっています。上記で紹介したレシピ、一枚ずつ準備するようになったのも鶴橋風月で食べたことがきっかけです。
鶴橋風月のおススメは豚玉&モダン焼き
どこのお好み焼き屋でもシンプルな豚玉を選んでしまいます。色々な具材を入れて食べるのも美味しいのはわかりますが、王道は豚玉でしょう。ただ鶴橋風月で迷うのは、そばの入ったモダン焼きにしようかということ。モチっとした食感のそばはお好み焼きとの相性が抜群です。
お腹がそこまで空いていない時は豚玉一択ですが、お腹が空いていると悩む一品です。
焼きそばもおススメ
モダン焼きを悩む理由として挙げたそばは単品として食べても美味しいです。太い麺を一度湯がいたであろう麺は食感が良いです。今ではスーパーでも鶴橋風月の焼きそばが売っていることからも人気なんだというのが分かります。
鶴橋風月 本店のアクセスと営業時間
大阪には現時点で42店舗を構えているので、どこに行っても変わらない味が楽しめますが、本店の場所を紹介しておきます。
天満風月
JR天満駅近く、天神橋筋商店街から少し脇に入った路地に天満風月はあります。
大阪お好み焼きの老舗中の老舗といえるお店で、お好み焼きに当時高級だったマヨネーズを使うということを自前でマヨネーズを使うことで安く庶民的に広げたお店でもあります。
因みに上記に記述した鶴橋風月の源流となるお店ですが、どちらの公式サイトにもその事実が書かれていないので、タブーになっているのでしょう。
天満風月のお好み焼き&焼きそば
粉ものの代表として君臨しているお好み焼きですが、天満風月のお好み焼きは、小麦粉と出汁で割ったつなぎを少量にして、キャベツの甘みを活かした味に仕上げています。
焼き上げたお好み焼きはソースやマヨネーズをかけずに持ってくるので、素焼きの状態です。自分で味の調節をすることが出来るので、ソースたっぷりが苦手なんて人にも美味しく食べられます。
焼きそばも代々伝わる製法で作っている自家製麵でモチモチ感のある麺になっています。
豚とキャベツなどシンプルな具材はそばとの相性抜群です。1人で両方食べたい時は、コンビセット 1,000円がおススメ。ミニお好み焼きとミニ焼きそば又は焼きうどんが食べれれます。
お持ち帰りOKなので事前に電話で連絡すれば、用意しておいてくれるので、テイクアウトも良いですよ。
アクセスと営業時間
豊中の有名店AT・THE・21
私が生まれた頃に出来たお店なので、30年以上地元で愛されているお店です。外観はカフェかなんかと勘違いしそうですが、お好み焼き屋です。一見頑固そうな親父さんが焼くお好み焼きは安心する味です。
ガンバ大阪のホームスタジアム(吹田市)でも出店していて、最近ではさらにお店にお客さんが増えてきたように思います。
オススメはモダン焼き
厨房で焼き上げたお好み焼きを1人ずつの鉄板の上にのっけて持って来ます。このお店のオススメはなんと言ってもモダン焼き。
普通、モダン焼きはお好み焼きの上にそばを乗せてひっくり返して焼いているものが多い中、このお店のモダン焼きは普通のお好み焼きの上に薄焼き卵でくるんだオムそばが乗っているような感じです。
写真のように山盛りの焼きそばが入っているので、ボリューム満点です。
アクセスと営業時間
●営業時間:11時半~LO21時
●電話番号:
●住所:大阪府豊中市上野東3丁目18−19
●詳しく書いた記事>>AT・THE・21のお好み焼き~豊中少路にあるオススメのお好み焼き屋~
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